今回は猫の尿石症についてのお話です。
尿石症とは、食事などの影響や細菌感染で膀胱内に結晶や結石ができるものです。
尿中の結晶や結石が普通におしっこで出されればいいのですが、結石が膀胱内を傷つければ膀胱炎になり、それらが尿道に詰まってしまうと尿道閉塞が起こってしまいます。
もくじ
・なぜ猫は尿石症が多いのか?
・猫の尿石の種類
・尿石症の予防
・尿石症になってしまったら
なぜ猫は尿石症が多いのか?
現在、お家で飼われている猫はもともと野生のヤマネコが家畜化したもので、このヤマネコは約13万年前に砂漠地帯で生息していたとわかっています。
砂漠で生活していたヤマネコは、水をあまり飲まず、おしっこは濃いものを排泄していました。
これが現在の猫にも受け継がれており、おしっこが濃いと尿中に含まれるミネラル分が結晶化しやすく、ほかの動物よりも尿石ができやすいのです。
猫の尿石の種類
尿石にはいろいろな種類がありますが、猫で問題となってくるのは以下の2つの尿石になります。発生割合もそれぞれ4割ほどを占めています。
・リン酸アンモニウムマグネシウム尿石
ストルバイトとも言われます。危険因子としては、アルカリ性の尿、高マグネシウム食、高リン食、ウレアーゼ産生菌の感染、水分摂取不足などがあげられます。
また、5歳未満の猫に多くみられます。
・シュウ酸カルシウム
シュウ酸カルシウムができる危険因子としては、酸性尿、高ナトリウム食、高カルシュウム食、高シュウ酸食、水分摂取不足などがあげられます。
また、7歳以上の猫で多く見られます。
どちらの尿石も、食事のミネラルバランスが適切でない場合に尿中にミネラルが過剰に排泄され形成されます。
尿石症の予防
尿石症は食事や日常の生活をきちんと管理することで予防することが可能です。
・食事に注意する!!
尿石は摂取する食べ物が素となって発生するので、食事生活には注意してください。決まった食事を適量与えるようにしましょう。少しぐらいならとおやつを与えないようにしましょう。
・水はいつも飲めるようにしておく!!
水分摂取量が少ないと、おしっこが濃縮されてしまい、尿中に結晶ができやすくなってしまいます。水はいつでも飲めるようにしておいてください。
・トイレを清潔にしておく!!
猫はキレイ好きな動物です。トイレが汚れていると排尿を我慢してしまうことがあります。そうなると尿濃縮がおこり、尿中に結晶が出来やすくなってしまいます。
・適度な運動と肥満を防止する!!
運動不足で肥満させてしまうとオス猫の場合、尿道が狭くなり、尿石症による尿道閉塞のリスクが大きくなるといわれています。
尿石症になってしまったら
尿石症は食事が主な原因となるため、食事療法を行いましょう。
また、膀胱内の細菌感染や結石の種類・大きさ等で、尿路感染症の治療や外科的に結石を摘出してから食事管理を行う場合もあります。
ロイヤルカナンとヒルズから尿石症に対する処方食が出ていますが、色々な種類があるためまとめておきます。
ロイヤルカナン製品
ヒルズ製品
2社を同じように比較できないので、別の表にしました。ストルバイトは結石の溶解する能力、シュウ酸カルシウムは結石の発生や再発を予防する能力となります。
寒くなると排尿を我慢して膀胱炎や尿石症に罹患する猫さんが増えてきます。
何度もトイレに行く、おしっこにキラキラしたものがある、おしっこが赤い等の症状が出たらお早めに動物病院を受診しましょう。
また、定期的に尿検査を実施してあげることもお勧めします。
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